牛肉の栄養素とその効果について詳しく調べてみた。 | 酵素入りのプロテイン(タイムリリース型)

牛肉 栄養素

牛肉の栄養素とその効果について詳しく調べてみた。

イミダペプチドの1つである「カルノシン」を多く含む食材の1つとして牛肉がありますが、この牛1肉の持つ効能について詳しく調べてみました。

牛肉に含まれるカルノシンについて言及しているものは意外と少ない。

牛肉にはイミダゾールジペプチドの一つである「カルノシン」が含まれていますが、牛肉を専門的に解説しているサイトではどのように解説してあるのかを見てみます。

日本食肉消費総合センターの刊行物『牛肉の魅力』

公益財団法人日本食肉消費総合センターの公式サイトでは、『牛肉の魅力』という刊行物を公開しており、専門家による解説がされていることもあってか、非常にわかりやすかったです。その効能については「牛肉のさまざまな機能とその働き」という項目で詳しく解説されています。

牛肉について詳しい解説がされているものの「カルノシン」に関しては軽く触れる程度で、どちらかというと鬱病防止に役立つとされるセロトニンの元となる「トリプトファン」や脂肪燃焼に役立つとされる「カルニチン」、筋肉合成で最も重要になるとされる「ロイシン」(BCAAの1つ)の解説の方が詳しいという印象でした。

「トリプトファン」と「ロイシン」はホエイプロテインでもお馴染みのアミノ酸で、特にロイシンは筋肉合成に必要不可欠なものとされており、その代謝物として「HMB」と呼ばれるものがありますが、筋肉を効率よく付けたい方には評判になっているものです。

カルニチンが多いと報告・農研機構での解説

農研機構の公式サイトでは放牧繁殖牛の肉にはカルニチンなどの機能性成分が豊富であると解説してありますが、一般の肥育牛と比較して長期間放牧飼養した繁殖雌牛の肉の方がカルニチンが多いと報告しています。

このサイトではカルニチン(脂肪燃焼機能を持つ)について言及していますが、カルノシンとはまた別物です。他にもクレアチンが多く含まれている点も強調しています。このサイトではカルノシンについての言及は全くありませんでした。

牛肉に含まれるカルニチンとクレアチンについては研究報告がいくつかありました。

「放牧繁殖雌牛の胸最長筋におけるカルニチンとクレアチン含量および脂肪酸組成」(『西日本畜産学会報』Vol.47 2004年 109-111項)

「牛肉中カルニチン含量に及ぼす影響要因」(『西日本畜産学会報』Vol.48 2005年 51-55項)

青い森の食材研究会の公式サイトで解説されている「牛肉」

青い森の食材研究会の公式サイトでは機能性成分としてカルニチン・タウリン・カルノシン・アンセリン・ミオイノシトール・クレアチンなど、かなりたくさんのものが紹介されていました。機能性成分の解説に関してはカルニチンに焦点を絞ったものがあり、カルノシンについての言及は特にありませんでした。

牛肉を使った研究報告について

「牛肉の抗疲労効果について」(『日本畜産学会報』1997年)

「牛肉の抗疲労効果について」(『日本畜産学会報』Vol.68 1997年 No.6 579-586項 )

この報告はマウスを使った運動負荷実験で試験飼料はタンパク質として牛肉を,脂肪分として抽出牛脂を配合した群牛肉+牛脂群)・タンパク質としてカゼインを,脂肪分として抽出牛脂を配合した群カゼイン+牛脂群)・タンパク質としてカゼインを,脂肪分として植物油を配合した群カゼイン+植物油群)を使用した上で、遊泳時間と懸垂持続時間を比較するというものです。

この中で特に両者共に時間が長かったのは「牛肉+牛脂群」で、この点については次のように考察しています。

これは乳酸性のエネルギー産生を単純に延長させる作用,もしくは有酸素性のエネルギー供給機構を活化させ,貯蔵グリコーゲンの消費を遅らせる作用を有ずるためと示唆される.

tinned meat(肉の缶詰)を使った研究報告

コンビーフ缶詰

Protein supplementation with low fat meat after resistance training: effects on body composition and strength.(Nutrients. 2014 Aug 4)

こちらは2014年と比較的新しいもので、26人の若い人にresistance training(普通の筋トレのこと)を8週間行うものですが、ベースになるのはisotonic machinesfree weights at 75% of one repetition maximumで、前者はスミスマシーンなどを使ったトレーニング、後者はウェイトトレーニングで行うものです。one repetition maximumはワークアウト業界では「1RM」などと書かれることが多く、「1回が限界の負荷」を意味します。

試験食となるのは135 g serving of lean beef (tinned meat), providing 20 g of protein and 1.7 g of fatで、わかりやすく言うと「低脂肪高タンパク食」ということになります。tinned meatが何なのかわからないので調べてみたところ、肉の缶詰の画像がたくさん出てきました。日本だとコンビーフ缶詰ということになります。低脂肪ものもの販売されているようです。この試験食を摂取するか否かでグループを2つに分けています。

これで行ったテストではFat mass, fat free mass, lean mass(体脂肪量、除脂肪体重、除脂肪量)とmuscle strength(見てのとおり、筋力のこと)を調べています。結果については試験食を摂取した方でFat massが比較対象よりも低下し、fat free massが比較対象よりも増加、更に1RMに関しては特に違いがみられなかった、というものでした。

1RMで違いがみられなかったというのは興味深いところですが、除脂肪という点での機能が示唆された報告となります。この発表では一言も触れていませんが、恐らくカルニチンによるものであると考えることも不可能ではないかもしれません。

Minced beef(牛挽肉)を使った研究報告

牛と豚の挽肉

ハンバーグ

Minced beef is more rapidly digested and absorbed than beef steak, resulting in greater postprandial protein retention in older men.(Am J Clin Nutr. 2013 Jul;)

こちらは72歳前後の高齢者男性に行ったもので、タンパク質の消化率、アミノ酸利用率、食後におけるタンパク質のバランスに関する肉の効果を調べるためのものです。使用している肉は牛挽肉です。

結果に関してですが、挽肉たんぱく質由来のフェニルアラニン利用速度に関してはステーキよりも挽肉の方が速く、食後6時間その利用率はステーキよりも挽肉の方が高いというもので、更に、体全体のタンパク質バランスは挽肉の方が良いものの、骨格筋たんぱく合成の割合は6時間を超えたところで査定しても両者に違いは見られなかった、というものでした。

わかりやすく言うと、年寄りはハンバーグを食え、ということになります。

牛肉とミルクを使った報告

Differences in postprandial protein handling after beef compared with milk ingestion during postexercise recovery: a randomized controlled trial.(Am J Clin Nutr. 2015 Oct)

被験者は12人の若い健常者に行ったもので、タンパク質の消化吸収速度、食後のアミノ酸利用、アナボリックシグナル、筋トレ運動後の回復中におけるミルクあるいは牛肉摂取後での筋肉合成の違いを調べたものです。

結果に関してですが、牛肉たんぱく質由来のフェニルアラニン利用速度はミルクに比べて速く、運動後5時間のフェニルアラニン利用率はミルク摂取後よりも牛肉摂取後の方が高い傾向にあり、牛肉とミルクを同時に摂取すると運動後にmTORC1のリン酸化やP70-S6タンパク質Kinase1の増加し、運動後2時間以内だと牛肉摂取よりミルク摂取の方が筋肉合成の割合が高いものの、5時間以内までの間だとどちらも筋肉合成率の増加に違いはなかった、というものです。

わかりやすく言うのであれば、運動後に牛肉を食べ、その後に牛乳も飲めばより筋肉がつきやすくなり、、更には牛乳ではなくホエイプロテインであればより効率的に筋肉をつけやすくなるのは言うまでもないでしょう。