鯨肉に多く含まれる「バレニン」について調べてみた。 | 酵素入りのプロテイン(タイムリリース型)

バレニン クジラ

鯨肉に多く含まれる「バレニン」について調べてみた。

「イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)」は鶏の胸肉に多く含まれていることで知られています。しかし、イミダペプチドは3種類あることは、意外と知られていないかもしれません。この記事ではイミダペプチドの1つである「バレニン」について取り上げます。

「バレニン」とは?

「バレニン」はカルノシンやアンセリンと同様、イミダペプチドの1つとされており、鯨肉に多く含まれるものとして知られています。これらは様々な研究の結果、抗疲労成分があるということが分かっています。

イミダペプチドは渡り鳥が長期間飛び続けられる秘密として知られていますが、鯨の場合は半年間、えさを食べ続けるが肥満状態にはならず、また残りの半年間は遊泳しつづけることができます(株式会社寿商店の公式サイト)。もちろん鯨肉にはカルノシンやアンセリンも含まれているのですが、バレニンと比べると圧倒的に少ないです。

「バレニン」という名前はヒゲクジラ類を表すラテン語「バレーナ(balaena)」という言葉が語源になっているようです(鯨研通信・第429号、以下の表も同じで、単位は「mg/赤肉100g」)。

鯨種

アンセリン

カルノシン

バレニン
ミンク(北西太平洋)

14.0

116.0

1335.6
ニタリ(北西太平洋)

57.3

290.6

1156.4
イワシ(北西太平洋)

45.2

146.9

1485.6
ナガス(南極海)

9.8

215.9

1204.0
クロミンク(南極海)

8.2

138.4

1530.5

こういった一覧表があると「バレニン=鯨」という風に思いたくなるものですが、すべての鯨そういうわけではないようで、マッコウクジラの場合だとそれほど含まれていないことが分かっています(以下の表は北海道立総合研究機構公式サイトより・アミノ酸mg/可食部100g当たり)。

鯨種

アンセリン

カルノシン

バレニン
ミンククジラ

19.1

159.6

1390.7
マッコウクジラ

139.3

254.0

21.2

鯨には「ヒゲクジラ亜目」と「ハクジラ亜目」の2種類が存在しており、その中で前者の方がバレニン含量が多いことが分かっています。

人を対象とした抗疲労に関する研究は最近になってから。

この抗疲労成分に関する研究で知られているのは以下のものがあります。

杉野・安永・福田,鯨肉抽出物の身体作業負荷および日常作業による疲労に対する軽減効果,薬理と治療,41号9巻(2013年9月掲載)

これは30歳以上65歳以下の健常男女12名を対象とし、鯨肉抽出物(1日摂取量24粒で計400mg・クロミンククジラの赤肉を加熱・酵素処理および粉末加工したもの)または、プラセボを摂取した場合での、日常作業による疲労に対する効果を比較したものです。人を対象とした例はこれが初めてだったようです。

更に古いものを調べてみましたが、2006年に発表された「鯨肉抽出物(バレニン含有)摂取による抗疲労効果」(『食品と開発』 Vol.41)というものがあり、これはラットを用いたものでした。

ラットを使った実験では学習記憶力の悪化を有意に抑制することが明らかに。

日本捕鯨協会の公式サイトでは、認知症について、実際に行われた研究結果を紹介しており、ラットでの実験ではありますが、そこでは認知症や脳機能改善の予防・改善に役立つ可能性が示唆されています。

実際の論文名を確認することができませんでしたが、海外でもその内容が英語で公開されています。

Behavioral and omics analyses study on potential involvement of dipeptide balenine through supplementation in diet of senescence-accelerated mouse prone 8.(Genom Data. 2016 Sep 9;)

他にもヒト臨床試験によってバレニンを含む鯨肉抽出物にはストレスや抑うつ感を軽減する可能性が高いという結果が示唆されています。

カラダ改造マガジン『アイアンマン』でも取り上げられています。

『アイアンマン No.310』の特集ページ

イミダペプチド自体も一般的にはそれほど知られていないかもしれませんが、ボディビル関係などではすでに注目されているようで、専門雑誌でも特集が組まれていました。このページで紹介されている報告は先に紹介した、人に対して行った初めての実験をベースにしています。この報告はオープンソースではないので概要しか見れないのが残念なところです。

実際に販売されている「鯨肉」

スーパーの鯨肉ベーコン。

スーパーでそれほど見かけることはないかもしれませんが、場所によっては売っているところもあります。近くで販売されていないか調べてみたところ、鯨のベーコンが販売されていました。

バレニンの話題から少しズレますが、鯨ベーコンには、動脈硬化に対して効果があることが示唆されているものである、DPA(ドコサペンタエン酸)が多く含まれています。

ベーコンにもバレニンは含まれているかもしれませんが、一番多く含まれているのは赤身の部分なのでこの場合はバレニン自体を期待しない方が良いかもしれません。

バレニンのサプリメント

昔は鯨をよく食べていたようなのですが、最近は食べる人もそれほど多くないかもしれません。イミダペプチドのサプリメント同様、手軽に摂取できるものがないか調べてみたところ、ファイテン株式会社が販売するバレニンがありました。商品名は「バレニン」となっていますが、アンセリンやカルノシンも含まれています。